国家機能の制度疲労 現代に入り、国家の役割や位置付けはさらに変化してきています。その一つは企業と国家の関係です。経済がグローバル化している今日では、国内企業が利益を出しても、従業員の賃金が上がるとは限りません。企業として […]
行政の存在感の高まり 経済活動が活発化する前の前近代と、近代以降とでは行政の役割は少し異なっています。 「行政」は市場経済に先んじて、前近代に誕生した社会システムでしたが、市場経済の発達により、市場の失敗を是正する役割が […]
都市の誕生と進化 近代国家誕生に特徴的な変化の一つは、都市が重要な役割を担うようになったことです。前近代は財を生み出す場である農村こそが社会の中心で、市(いち)は人が離合集散するアドホックでテンポラリーな場にすぎませんで […]
統治者の特性 原始宗教が誕生した頃の社会では、自然と神はまだ概念として未分離の状態であり、神は人間に対して恵みをもたらすとともに、災難をももたらす存在として捉えられていた事例が多いです。そのため、神官や巫女は「神=自然」 […]
宗教施設と灌漑施設の根は同じ 文明誕生初期のケースとしてはメソポタミア文明やエジプト文明などのいわゆる四大文明が代表的です。これらの文明に共通しているのは神の崇拝や宗教的理念にまつわる建造物の建設です。灌漑水路や堤防を築 […]
「国民」という概念 「国民」という概念は近代社会の産物です。この概念が生まれた背景の一つには国外との緊張関係が挙げられます。外部との軋轢が国家としての凝集力を生み、「国民」を誕生させた面があるというわけです。19世紀にお […]
前近代における国家は宗教が支えていた 近代国家以前には、明確な主権国家は存在していませんでしたが、その兆候は中世の後期に現れ始めます。この頃になると権力の源泉を神におく王権神授説を掲げた王が統一国家を作り上げました。ただ […]
中世に移行する古代ローマ帝国 中央集権による司令システムは効率的ですが、一定の規模を超えると外敵からの攻撃に対する防御力、攻撃力の双方が低下します。 古代ローマ帝国は周辺地域を軍事的に取り込み続けていきましたが、あまりに […]
古代ローマの特殊性 古代ギリシャ文明の遺産を継いで、いまのヨーロッパのエリアに広大な帝国を築き上げたのが古代ローマ帝国です。紀元前753年にロムルスがローマを建国してから、紀元476年に滅亡するまでの長い歴史の中で、統治 […]
古代文明の要件 古代の文明が成立するためにはいくつかの条件があります。第一に、生産者から権力者への食料の移転がなされていることです。移転がなされるためには余剰が必要ですが、これは農耕技術の発達によって実現しました。第二に […]